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歯科麻酔医として

歯科麻酔医の仕事

私は、日本歯科麻酔学会に所属する歯科麻酔専門医です。

大学病院で歯科麻酔の研鑽を積んだ後、2005年に独立し、現在は開業されている先生方のご依頼を受けて歯科医院におもむき、一緒にお仕事をさせていただいています。

一般の方の多くは、「歯医者なのに麻酔科?」とお思いでしょう。
「歯科」と一言でいっても、むし歯の治療をする保存科、ブリッジや入れ歯を専門とする補綴科、歯周病(以前は歯槽膿漏といわれていました)の治療をする歯周科、歯を抜く口腔外科、子供の歯の治療をする小児歯科、歯並びを治す矯正歯科など、いくつかの専門分野があり、その一つが歯科麻酔科です。

主に、口腔外科手術時の全身麻酔や鎮静法(ちんせいほう)を含む患者さんの全身管理を担当するほか、お口の中やお顔の痛みに対する治療、また、局所麻酔に関する研究などを行っています。

≫松田学術奨励賞を受賞して

歯科麻酔医について

週刊朝日(2006.9.22発行)「歯科麻酔専門医特集」より抜粋
取材協力 日本歯科麻酔学会理事長 福島和昭先生

 歯科麻酔専門医は、日本歯科麻酔学会が認定する資格です。本学会は昨年1月に法人化するとともに、歯科麻酔専門医制度を発足いたしました。

 歯科麻酔専門医の資格を得るには、1977年に制定された歯科麻酔認定医(口頭試問と記述試験などが科せられる)の資格をまず有していることが条件で、併せて通算5年以上にわたって歯科麻酔分野の業務に専従していなければなりません。

 審査には最近5年間に担当あるいは指導した全身麻酔症例、全身管理症例、疼痛治療症例のなかから年間100例、総計500例の一覧表の提出などが求められます。

 また、本学会学術大会での口頭発表など専門医となるのふさわしい業績を有することが必要です。その上で、審査委員の試問(口頭試問と論文記述)に合格して初めて専門医の資格が与えられます。すなわち専門医資格の取得には、2度にわたる試験に合格しなければならない制度になっています。

 今年7月末現在、2268人の会員数に対し、専門医はわずか164人です。専門医の数をむやみに増やす考えはありません。私たちは認定医を専門医に格上げするのではなく、認定制度を残したまま、確たる専門医制度を立ち上げ、国民に対して必要な技能と知識を担保しようと考えました。

そして、今年3月には厚生労働省から専門医資格の掲示が認められるようになりました。歯科麻酔学を通して歯科医療に貢献し、国民の健康増進と福祉の向上に寄与していくという責任がますます大きくなってきました。専門医は全国の歯科大学、大学歯学部、総合病院歯科、さらには歯科医院で活躍しています。通常の方法では十分な治療が受けられず、より安全で快適な歯科治療を求められている患者さんには、ぜひ歯科麻酔専門医を活用していただきたいと思います。

患者さんへ

麻酔科医は患者さんの代弁者です。患者さんが感じた「痛み」や「不快感」を即座にキャッチすることも麻酔科医の重要な務めです。どんな時でも患者さんのかたわらにいて、患者さんを守ることを第一に考えています。さまざまな理由から歯科治療に踏み切れなかった方にとって、このホームページとの出会いが、歯科医院へ足を運ぶ一つの転機となれば幸いです。

歯科医師の先生方へ

このホームページを立ち上げようと思った動機は、しっかりとした予約システムをつくりたいということでした。しかし、スムーズに仕事を進めるうえで必要なのは、システムの構築だけではありません。そのことに思い至ってから、一貫して、私の歯科麻酔科医としての考えを知っていただくことを念頭に、原稿を書き進めてきました。

歯科麻酔科医の仕事は、治療に付随して発生するものです。
治療行為なくして麻酔は成り立ちません。麻酔科医はあくまでも脇役ですが、さまざまな側面で砦としての役割を担っています。

麻酔科医の業務は、野球のキャッチャーやオーケストラの指揮者にたとえられます。周囲を見渡して、なにか問題が起こった場合には的確に指示を出して対処するという意味合いです。

患者さんの状態によっては、治療の中止をお願いすることもあります。ピッチャーがいくら優秀でも、球を捕球するキャッチャーがしっかりしていなければ、思い切ったボールは投げられません。

歯科医療の発展とともに、歯科医師に対しても高い治療技術が求められるようなってきています。だからこそ、少なくとも患者さんの全身管理やペインコントロールは専門の歯科麻酔科医にお任せいただき、先生方には治療に集中していただくことも、高い精度の治療を成功させる上で重要なファクターとなるのではないでしょうか。

学歴・職歴

   

中野 みゆき(MIYUKI NAKANO)
博士(歯学)
日本歯科麻酔学会専門医
日本歯科大学新潟生命歯学部
非常勤講師
 
1997/03 日本歯科大学新潟歯学部卒業
1997/04 歯科医師国家試験合格(歯科医籍第132129号)
1997/04 日本歯科大学新潟歯学部附属病院研修医
1998/04 日本歯科大学新潟歯学部歯科麻酔学教室助手
2001/08 日本歯科麻酔学会認定医(松田学術奨励賞受賞)
2003/04 日本歯科大学新潟歯学部歯科麻酔学講座助手
2004/04 日本歯科大学新潟短期大学講師併任
2004/09 博士(歯学)取得
2005/04 日本歯科大学新潟歯学部歯科麻酔学講座非常勤講師
2006/04 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科麻酔学講座非常勤講師
現在に至る
2006/06 日本歯科麻酔学会専門医
   
   
【所属学会】

日本歯科麻酔学会
日本口腔外科学会
有病者歯科医療学会
日本障害者歯科学会
   

関連論文

  1. 中野みゆき、永合徹也、海津基生、小林新二郎、大橋 誠、二瓶克彦、藤井一維、佐野公人、柬理十三雄
    静脈内鎮静法の適応の拡大
    歯学87、春期特集号、720-721、2000
  2. 中野みゆき、柬理十三雄
    歯科における薬の使い方(デンタルダイヤモンド)、第5章 歯科で注意すべき他科の疾患、
    1。血圧が高い、176-177、2003
  3. 中野みゆき、永合徹也、布山麻美、湊 隆夫、大貫大介、大橋 誠、藤井一維、佐野公人、 柬理十三雄
    静脈内鎮静法施行下における神経性ショックの1症例
    日歯麻誌、31(1)、27-31、2003
  4. 中野みゆき
    歯科麻酔・全身管理学の手引き(学建書院)、6。精神鎮静法、54-63、2003
  5. 中野みゆき、廣澤利明、永合徹也、大橋 誠、藤井一維、佐野公人、柬理十三雄 静脈内鎮静法の長時間管理に伴う諸問題 有病者歯科学会雑誌、13(1)、49-53、2004
  6. 広沢利明、中野みゆき、藤井一維、佐野公人、柬理十三雄
    BZ系薬剤内服患者に対する静脈内鎮静法に関する検討
  7. 中野みゆき、秋山麻美、永合徹也、藤井一維、佐野公人、柬理十三雄
    脳出血の後遺症として病的笑いを有する患者に対する静脈内鎮静法の経験
  8. 中野みゆき、高橋靖之、廣澤利明、佐野公人、柬理十三雄
    ミダゾラム使用静脈内鎮静法施行下におけるエピネフリン添加局所麻酔薬の血漿カテコー ルアミン濃度ならびに循環動態に及ぼす影響
    日歯麻誌、33(3)、373-381、2005。